12月15日16時より、東京の高輪プリンスホテル
国際館バミール3F「崑崙」にて、成和塾忘年塾長会が
開かれました。

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講師は塾長の稲盛和夫氏。
演題は「アメーバ経営はどのようにして誕生したのか」でした。
参加者は840人ほど。成和塾の盛大さがわかります。

講演の内容は、会社創業して間もない頃、会計士に紙で
記入した会計伝票より、損益計算書を出してもらっていた。
当時の稲盛氏は、会計については全くと言ってよい程
わからない状態だった。
「3ヶ月前の製造原価はこれぐらいだったよ!」と言われ、
「3ヶ月前の数字では意味がない」と会計士へ言った。
そればかりか、「もっと早く今月のデータが必要だ!」と
言った。「できれば、デイリーに知る必要がある」とまで
思った。会社経営を遂行するためには、全ての部門の
リーダーでなければならない。
ちょうどその頃、会社は創業当初よりは大きくなり、社員は
100人を超えるようになっていた。忙しくて、全ての業務を
やっている時間はなかった。
会社の業績責任を分担してくれるリーダーを育成しなければ
ならないと心から考えていた。
当時の京セラでは、素晴らしい人材などいなかった頃の話だ。
そして、損益計算書も経理が分かるものではなく、一般にも、
今いる社員にもわかるものを作った。それだけではなく、
原料行程や成形工程でも誰でもわかるやり方へ変え、
焼成工程、加工工程、ファインセラミック完成品へと行く
工程を一括りではなく、工程を小さな組織にしていき、
その部門別に責任を委譲していった。それぞれの工程を、
独立採算でやれると考え、できるだけ小さく分割して行く。
小さく小さく分けて、独立採算制にしていく事、これが正に
アメーバ―経営だ。

1. 製品を作る
     ↓
2. 1.の製品うぃ買い工程の加工を加え売る
     ↓
3. 2.の製品を買うと言う工程を繰り返し、最終工程で
社外出荷をするというやり方を取った。そして、社内の
各工程の売買金額を公平にすることも忘れなかった。
仕入れる材料の金額が変わっても、利益率は各部門で
変わらないようにしたのである。

少人数のアメーバなので、経費には人件費を入れることが
できない。社員一人一人の給与を露呈する訳にはいかない。
アメーバー経営では、差し引き売上/総時間=時間当たり
付加価値で表す。社員ひとりあたりの付加価値は全て
時間当たりで表示することにした。ということは、総時間を
最小に、社員数も最小にすることによって、価値観が
上がっていく。こういった、時間当たりの採算性や
損益計算書での利益性を一目でわかるように加工を加えた。

これが、画期的な会計システムになった。アメーバ経営の
最たる結果である。販売金額を10%下げるようにメーカーから
言われる。そうなった時に、どこかの部署がしわ寄せに
なってはならない。よって、各部門のリーダーの人間性が
問われる。全体で対処しようと言うリーダーでなければならない。

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あるメーカーの話で、数値の入力を現場がして、その数字を
信用し会計がなされていた。その数字が正しいかどうかを
きちんと指導し、正確なものにしていかなければ、会社は
おかしくなる。しかし、この会社の社長は理解せず、そのままで
経営を行った。ある時、工場は閉鎖になった。

お金を扱うもの全員に、倫理観や哲学がなければ、会計にも
反映しない。

しかし、外注すると一時的に売上は上がる。
外注が良いように感じるが、ダンピングに対しては、倫理観や
哲学が違う外注先には、対応ができない。しかし、アメーバ―経営で
あれば、細分化された各工程部門が内容を理解し、努力によって
攻略していかなければ、負けてしまう。特に、マーケットシェア―の
変化は日々変化し、プライスは大幅に変化している。
よって、採算性、経理を十分に把握しており、細分化したリ部門の
ーダーシップ性によって、アメーバ―経営が力を発揮する。
会社の経理が確かどうかは、会計士にきかなくても、確かなもので
あることは間違いない。

また、京セラは上場するときにもアメーバ―経営が役に立った。
ニューヨークの市場に出る時も同じである。

KDDIでもアメーバ―経営を採用してもらった。通信による
長距離採算についても、アメーバ―経営を採用。今では、
いつでも手に取るように会計内容が分かる。
第2電電がNTTを上回る会社に成長し、売上は3兆6千億円。
NTTに継ぐ、日本でを代表する通信会社になったのも、
アメーバ―経営が役立っていることは言うまでもない。

話は変わりますが、稲盛さんは「世界企業家賞」を
受賞されました。

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全世界から素晴らしい企業家を募り、6ヶ国15名の審査員で
構成し、厳粛に審査する。そして、稲盛さんが選ばれたのです。
選らばれたのは、世界で4名。どの方も経営者として、素晴らしい
貢献を行っています。

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以上が、アメーバ―経営についての講演でした。
私どもは仕入れのない会社ではありますが、細分化を図り、
独自採算性で部署を任せることは、大切なことだと感じました。
また、社員各自の自立と、会社のフィロソフィ(哲学)の統一と
熟知も必要なことです。

稲盛塾長、貴重な講演ありがとうございました。

17時45分から、懇親会が同じ会場で行われました。
※明日に続く。