~思いは書く 何しろ書くことです~
平成10年11月に香酢や青汁の「やずや」さんで、経営者の
ための勉強会「21世紀生き残りセミナー」があった。
その時に教えて頂いたものがある。それは「経営計画書」。
当時は、ワンシートで作成した。
矢頭宣男社長(元社長)は、目標を立てる時は「何しろ
書くことだ」と言う。
このワンシートに、来年上げるであろう予定の売上を
書くように言われた。当時、売上についても、その日
暮らしでいくらを上げようとか考えたことがなかった。
毎日、毎日、歯を喰いしばって生きることのみ。
矢頭社長が言うには、目標と言うものは、頭で思っても
ダメ。もちろん口で言うだけでもダメ。「何しろ、思った
ことを書くことだ!」と言う。何でもいいので、思った
ことや自分の思いを紙に書く。1回書いてみたが、
自分でもあまりわからない内容になった。そういう
場合は、もう一度書くと良い。何回でも読みなおしを
して、作り変えてOK。
目的は、自分でわかる内容にすることと、書いて保存し、
いつでも見れるようにしておくこと。書いていると、
いつでも見る事ができる。見ると思いが戻ってくる。
計画は必ず書いておくことが大切なのだと言われた。
思いは書くこと。書いたものを絵にしておくと、もっと
具体的になる。その絵を毎日見ることで、イメージが
広がる。
経営計画書だが、作成するのは何しろ初めて。いっぱい
書けないので、B4の紙を4つに割り、「経営理念」と
「基本方針」と「めざすもの」と「売上金額」を記入する。
初めて作るので、ワンシートではあったが、その作成に
3週間ほどかかった。
そこに書いたことを何度も読み返した。そして、その内容が
実現できると思い念ずる。必ず現実になってくると思い、
何回も読んだ。
自分なりに、必死に作成したワンシートの経営計画書。
当時の参加者の中では、私の会社が売上金額で一番低く、
それだけでも恥ずかしかった。年商3000万円とか、
5000万円や1億とか言う社長ばかり。私は、750万円。
年商で2桁違っていた。矢頭社長は、完成した経営計画書を、
一人一人発表させた。2桁違う私は、参加者皆さんの前で
発表することが、裸で街の中を歩くことぐらい恥ずかしかった。
参加者から「たった750万円で参加しているやつがいる」と、
くすくす笑われると思った。
今思えば、あの時矢頭社長が、私の肩を叩いて発表させられた
ことで、発表後は「絶対に発表した金額は上げてやる!」
「参加者の中でも一番の会社になってやる。」という気持ちで
いっぱいだった。
勉強会は12月に終わり、今まで月70万円程しか上げることが
できなかった私だが、次の年の4月からは「月300万円を上げる」
と、福一の経営計画書に書いた。4月まで何回も何回も、この
経営計画書を見てイメージした。そうすると不思議なもので、
4月が終わると300万円を上げていた。今までの約4.5倍もの
売り上げを上げることができたのだ。その時、「矢頭社長の
言う通りなのだ!」と思った。書くことはとても大切。
書かなければ、全ては始まらない。ワンシートでも書いて
いたので、その通りになったのだ。
そのおかげで、それからは経営計画書に書いた目標金額通りに
売上が上がるようになった。
平成11年度の経営計画書は4ページだったが、書くことで実現する
実感を味わった私は、楽しくなり、何でも書いて残すことにした。
目標をより具体的に書くことにしている。書くことで目標達成
できるならと毎年経営計画書を書き、ページ数が増えていった。
経営計画書を書き始めて11年。今では60ページ以上にもなる。
日々変化し続けている。書いておくと、社員とも確認できる。
自分自身でもいつでも確認できる。こんなに便利でわかりやすい
会社の指針書はない。
福一不動産の夢は、「中洲を日本一の歓楽街にすること」。
それをイメージした絵を表紙にしている。その絵は、中洲を
描いた絵の中に、社員全員の似顔絵が入っている。この絵を
みて、社員との目標を確認している。このようになったのも、
「やずや」さんが勉強会「21世紀生き残りセミナー」を行って
下さったからだ。
本当に、心から感謝しています。