先日、博多法人会主催の講演会に行ってまいりました。
講演するのは、初代内閣安全保障室長 佐々淳行さん。
テーマは「危機管理」です。
非常に見識豊富な方で、歴史上の事柄や時事問題に例えながら、「危機管理」を語っていただきました。ちなみに「危機管理」という言葉は、ビジネス上でよく語られていますが、佐々淳行さんが「Crisis Management」という英語を討論の便宜上直訳して使ったらそのまま市民権を得るほど使われるようになったそうです。
以下、簡単に今回の講演をまとめてみます。
「危機管理」とは、人を指揮する立場にある者の持つべき意識であり、この能力が低いと、企業であれ国であれ運営はままならない。
危機管理の真髄を一番よくあらわすものに、「後藤田※伍訓」がある。
※衆議院議員、官房長官、法務大臣、副総理などを兼務した政治家である
①省益を忘れ、国益を思え
・個人や身内の利益で動くな。全体の利益の為に動け。
・自分の手柄ではなく、会社全体のことを考える人でなければ、会社の首 脳陣にしてはいけない
②悪いことを報告せよ
・悪い報告ほど最悪の事態を抑えるための材料になる
・良いことばかり行ってくる人は信用するな
・悪い報告をしてくるひと程褒めるべきである
③報告と共に、勇気を持って献策せよ
・提案をすると、その仕事に責任を持たなければならなくなるから提案しない、という人間が全体の8割である
・報告を受けても、受けた側もただの人である。現場から提案が上がってくると判断するのにとても助かる
・責任を持って提案してくる人間を評価すべきである
④「俺の仕事じゃない」と言うな。
・何か会社としてやらなければならない事が出てきたとき、真っ先に手を上げてくれる人材を評価せよ。
⑤一度決定が下ったら従え。命令は直ちに実行せよ。
・決定したことは即実行せねば意味が無い。
・命令は絶対である。但し、自分の責任を逃れるために抽象的な命令はしてはいけない(ex.「適切に処理せよ」「成果を出せ」←方策を出すべきである)
「後藤田伍訓」に出てくる言葉は、ビジネスにも存分に応用できるもので、聞いていて鳥肌が立つような迫力のある講演会でした。
自分の語りたい思いがあり、それを伝えなければならないという使命感があの鬼気とした雰囲気を醸し出しているのだと思います。齢80を数えてなお、あのように精力的に動けるのはその信念ゆえです。
信念を持った人間にならねばならないという思いに感化され、仕事燃える一日でした。
著書も多く出ております。皆様も一度、お手に取られてはいかがでしょうか?