7月3日19時30分より、IPホテルにて博多経友会が
開催されました。
講師は、株式会社サラ 小林治氏で、演題は
「トップサロンが実践している女性の心をつかむ「これからの
マーケティング」~時代を先読みするサロン「SARA」の経営戦略~ 」
でした。
美容業界では年に何回か話しますが、業界でない
方の前で話すのは初めてです。女性の心をつかむ
これからのマーケティングとは?というお話をさせて
頂きます。
美容業界は、人を育てる業界と言っても良いほどです。
東京の原宿などで、カリスマ美容師と言われる方が
たくさんいた頃が2001年。その頃は、18万件の美容
学校の卒業者が27,000名いて、売り上げは1兆8000万円。
2010年は22万件の美容学校の卒業者が18,000人。
売り上げは1兆6000万円。
業界は左肩下がり。単価が落ちている状態です。
10年前は、上から目線で営業をしていました。
しかし、今では、そのような営業はやっていません。
単価は6,000円。サラさんでは単価8,000円で、平均より
2,000円ほど高いのです。
始めた当初は、心がすさむ日々でした。求人しても
人が来ない。採用しても、次の日には来ない。そんな
日々でした。
2店舗目は山口。260坪の大型店舗。カフェとのコラボで
オープンしました。女性は、お店へは入りづらいもの。
その気持ちをオープンにしてもらうために行いました。
次は500坪。業種もカット以外もやりました。月に1,000万円
以上の売り上げを上げるお店をオープンしました。
現在は、福岡に4店舗、山口に3店舗。
年商7億の会社になりました。
美容室への来店頻度は、3ヶ月に1回。年に4回から5回。
美容業界の売り上げが落ちたのは、来店頻度が落ちた
ことに原因があります。これからは、来店頻度を上げる
ことを関げていかなければいけません。新宮はスイーツの
店と一緒にやっています。
春日店は、マキハウスと言う住宅メーカーと一緒にやって
います。
お店は全てリノベーション。元植木屋さんや中古車センター
を美容室へ…と言った形でやっています。改装費は、通常の
60%です。
1人前の美容師と言われる様になるには、3~4年かかります。
しかし、1人前になる前に、辞めるスタッフが多いです。
ですから、辞めない会社作りをしていかなければなりません。
平均すると、3年以内で辞めてしまいます。講習、練習など
業務時間以外にも時間を取られます。
サラさんでは、離職率が低いです。採用したスタッフが準繰りで
入ってきて、教育していくシステムが出来上がっているのです。
これからのマーケティングは
ユニクロやH&Mのファストファッションに影響されて、安い
美学が流行ってきています。その流行は、どういう影響を
うけたのか?バリエーションが広がったのではないか…と
考えます。「自分らしさ」が生まれたのではないでしょうか?
美容業界もバリエーションが必要で、お客様にあったファッ
ション、ヘアースタイルやメイクをご提案していきます。美容
業界は今まで、ヘアーについての提案しかできませんでした。
サラさんでは、ファッション全体をご提案をすることをやって
いったそうです。
来たときよりも、きれいになって帰って頂くのが業界の常識
でした。ビフォーとアフターで〇をもらえば、良しとされていた
のです。しかし、これからは先月のビフォーよりも、今月の
ビフォーがきれいでなければならないと考えました。
今では、技術の差はなくなってきています。提案が必要に
なっています。提案すると言うことは、お越しになった時に、
ものを買ってもらわなければならりません。
褒めることができる。励ますこともできる。指摘することも
できる。認めることもできる。
美容師は、お客様との関係づくりができます。その強化が
いかにできるのか?が勝負なのです。客単価を上げることが
できる要因になっていくのです。
女性は、髪だけに関心があるのではない。ということが
わかりました。ニーズが髪にあると考えていたのですが、
ニーズがないことがわかりました。切ることには関心が
ないことがわかってきたのです。
きれいになりたい。そうは思われているのですが、髪だけに
関心があるわけではないことがわかりました。
低迷していたのは、少ないニーズに集中して、20代の女性を
一番に考えて追いかけていました。しかし、団塊世代の方々
にも、ニーズがたくさんあることがわかりました。
ラサさんでは、お客様の「美意識」を上げることを目的として
いるのです。
美容業界は技術だけの時代ではなくなった
その人の美意識を上げ、コーディネートすることを目的にして
います。キャッチコピー、言葉の開発も行っています。
人の育て方
会社は100%社長で決まる。
店舗は店長で100%決まる。店長には、教えるな!と言って
います。チームで頑張るようにしている。こうしなさい!とは
言いません。挨拶は、こうだ!とも言いません。考えて挨拶を
するようにさせています。人にしてあげたい。と言う気持ちを
引き出すようにしています。
スタッフは、2:6:2に分かれます。2は、できるスタッフ。6は、
どちらでもないスタッフ。2はできないスタッフ。
サラさんでは、できない2のスタッフをみることにしています。
各店舗から推薦スタッフを1人出させています。
ある店舗では、いつも同じスタッフを出してきていたので、
出来ていないスタッフを強くするように小林社長が指示
しました。すると、店長は必死にそのスタッフを教育しました。
他のスタッフもできるスタッフになるように努力しました。
そして、できるスタッフになっていきました。この結果で、
スタッフだけではなく、店長も大きく成長したのです。
そのような教育を行い、離職を減らしていっているそうです。
また、サラさんでは、美容師として長く働ける職場をつくる
ことに努力されています。一般のサラリーマンと同じ様な
環境を作るには、客単価やサービスレベルをあげること
だと小林社長は言います。高齢化社会と上手く付き合う
ことも、大切なことなのです。
美容業界での敵は同業ではない
この業界に、どれだけお金を使ってもらうかが勝負なのです。
全体の価値を上げることを考えていかなければならないのです。
お客様の「きれい」をテーマに、ご利用頂けることを考え行動
しています。