11月20日朝7時より、フォーバル福岡支店会議室にて、
ステップアップ20が行われました。
今回は、テレビ番組“カンブリア宮殿”で7月に放映されたもの。
広島県呉市豊町の瀬戸内海に浮かぶ、大島下島にある新光時計店。
松浦敬一さんは手先が器用で、小学校の頃には見習い職人より
時計の分解が上手かったと言う。
取材当日、朝に届いた時計の修理を始める。
分解をして1時間、功箱を開けるとゼンマイが切れていることを発見。
引き出しを開け、オメガのゼンマイを出し、それを入れる。
それ以外にも、他の箇所の点検。点針という時間を刻む大切な部品に
汚れがあることを見つけて、掃除を始めた。
電話の線を切り、カギを締め、時計の心臓手術を始めた。
1時間後、時計はほぼ元の状態になっていて、もう動いていた。
最後に文字盤をのせ、完成。テレビでは「手術は完了」と言っていた。
人ではなく時計なのだが、まさに手術と言うほどの神経を集中して
行うものなのだ。
会場で電池式時計を分解してもらった。電池式時計は、分解の仕様が
ないという。ねじ巻き式時計は、点針という小さな部品や功箱を開け
ゼンマイを見せてくれた。凄く小さく、神経が必要なことがよくわかる。
松浦さんは新光時計店3代目。この時計店は1858年に創業。
日本一古い時計店。小学生の時に、時計職人よりも早く分解組み立てを
していたと言う。
新光時計店へは、全国から大切にしている時計の修理依頼と手紙が届く。
修理代金は、新品の10%ほど。しかし、直らなければ代金は不要。
依頼主から、時計を買った時の由来が書いてあり、なんとか修理してほしい
と書いてある。
「時計の修理は儲かりますか?」という問いかけに、「儲かりません!」と
松浦さんは言う。そして、「お金よりも修理できるかどうか?修理できた時の
感動がたまらない」と言う。修理できた時に受ける、持ち主の感謝の気持ちが
伝わる瞬間がたまらない。その時計がどれだけ大切であるかは、手紙の
内容で伝わる。
病気がちな時計の持ち主に修理された時計が届く。
「私もこの時計みたいに治るといいのに!」と語り、喜びで涙していた。
必ず時計に添えられた手紙を読む。「時計にまつわる思い」を知って
松浦さんは初めてピンセットを手に取る。大切な人の存在を強く意識するとき、
人は大切なものの存在に気付くのかも知れない。
松浦さんは、その技術と心で人と物の間を繋ぎ続ける。
「儲かるよりも感動を」と言う松浦さんの行動に、私は感動しました!