また、店では毎日まかないを2食付けた。
佐々木さんが週に4回、スタッフが2回作る。手料理にこだわった。
営業時間も20時より19時に変更。店を移転することにしてから、スタッフを
大切にすることを最優先に考え、店のやり方も大幅に変わった。
開店時間も早くなり、食事も出せるようにした為、スナック・クラブの同伴にも
使えるようになった。

また、スタッフ教育に力を入れた。
佐々木さんは、スタッフに「私を見なさい!」と言い教育。敬語も使う様に
教育していった。「タメ語は、自分に対しての甘え。また、お客様も甘えてくる。
だから、敬語で話すこと。」と教育していった。佐々木さんが、以前に
イベントコンパニオンで教育されたことが役立ったのである。

女性はすきがないこと。お客様からのデートは断る。もし、お客様のことが
好きになれば別だが、私情が入らないのが仕事。店でお客様と会うことが一番。
「私をそのままコピーして下さい」とスタッフに言い続けた。

店では八方を見る。
「お客様のドリンクは入っているか?」
「淋しくしていないか?」
「灰皿はあるか?」
「灰皿はきれいか?」
上手くお話ができなかったら、恐れずまたトライ。
店は2階にあり、エレベーターで送る。お客様が1階に着くまでに階段を走って
降りて、もう一度あいさつする。「お客様が喜んで頂く事は、何でもやればいい!」と
言い続けた。そして、前向きな事しかやらないと決めていた。マイナスの事を
言われたら、前向きで答える。様々なことを教育していった。

バーテンダーで将来店を持ちたい娘が出てきた。目標がある娘は、店が好き、
楽しいと言ってくれる。辛い時は、佐々木さんや他のスタッフが、励ましてくれる。
良い人が周りにいる。そんな店になった。佐々木さんはスタッフ教育に力を注いだ。
そして、人は財産と言えるようになった。佐々木さんは、教育して育ってくれる
スタッフについて「自分の考えが変わったのではなく、考え方が変わってくる。
ヨーヨーになってくる。それを実感させて上げることが、社長の仕事です。」と語る。

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移転して、スタッフひとりひとりが育ち、いい店になりつつあったそんな時、
佐々木さんに子供ができた。やっと店がなんとかなると思った矢先、子供を
産むのをやめようとまで考えた。佐々木さんのお母さんも「移転したばかりだから
生むのをやめた方がいいのでは・・・」と言った。「どうすればいいのか?」
「やれるのか?」と、悩みに悩んだ。

スタッフと何度もミーティングを重ねた。結果、スタッフを6人から8人に
増やす事に。祝日は休む。忙しい時は動き方を決める。各スタッフの
役割を決める。ミーティングにて、たくさんのことを決めスタッフに店を任せ、
産休を取ることに。毎日、スタッフからメールが来た。ある意味、胎教に
悪い妊婦だった。

そして、産休を終了し店に帰ってみると、知らないお客様ばかりになっていた。
佐々木さんの産休が、スタッフの決断と協調と成長の3つを強くしていた。
素晴らしい店になっていた。今、佐々木さんは何も言うことが無いと言う。
「今が一番幸せ。」
将来の夢は、スタッフ独立の支援。
それと、5年後も10年後もこの仕事を続けていく事と言う。

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私は、素晴らしい人生を送っている佐々木さんに心から感動しました。
10月20日の講演がとても楽しみです!