人との接し方の極意は、ストローク理論を習得することです。
ストローク理論≪~人との係わり方を分かりやすく教える~≫
会社の部下や後輩に「お客さまにはちゃんとするように!」と言っている人はいませんか?
おそらく、そう言われた部下や後輩は分かったつもりでいるかもしれませんが、
実は分かっていません。
「ちゃんとする」ということが具体的にどういうことかが分からず、
そう言った上司や先輩の行動をじっと見ています。
「どうすることが、ちゃんとすることなんだろう?」と考えながら・・・。
『ストローク理論』は
「ストローク」というものを使って具体的に分かりやすく教えています。
「ストローク」とは「なげかけ」です。
「こんにちわ!」「元気ですか!」という言葉をかけるのも「なげかけ」です。
ストロークは5種類しかありません。
1.あいさつなどの「言葉」
2.笑顔などの「態度」
3.握手などの「タッチ」
4.はがきなどの「文書」
5.贈り物などの「プレゼント」
「なげかけ」の方法は、この5つだけです。
また、ストロークの性質も3つに分類されます。
1.一般的/パーソナル
2.条件付/無条件
3.陰性/陽性
です。
分かりやすくいうと、「一般的」は「みなさん・・・」。「パーソナル」は「○○さん・・・」。
「条件付」は「いやいやながら」。「無条件」は「自主的積極的に」。
「陰性」は「暗い感じ」。「陽性」は「明るく」。
私たちは、お互いに5種類×3分類の性質のストロークの組合せで係わりあっているのです。
では、皆さんで考えてみましょう。
会社の受付の女性が、来られたお客さまに対して行なう「ストローク」です。
お客さまが来られました。受付の女性が「・・・・・・・。」
下を向いたまま何も言いません。いわゆる<ストロークなし>の状態です。
最悪です。
お客さまは「こんな会社に二度と来るものか!」と思って帰ってしまうかもしれません。
それでは、<下を向いたまま小さな声で「いらっしゃいませ」>と言ったらどうでしょう。
少しはマシですね。ストローク無しよりは。でも、もう少し大きな声がいいですよね。
では、<下を向いたまま大きな声で「いらっしゃいませ」>。
でも、顔を上げるほうがいいですよね。
では、<顔を上げて大きな声で「いらっしゃいませ」>。
でも、視線をそらしてではなくお客さまと目を合わせながらの方がいいですよね。
では、<顔を上げて目を合わせて大きな声で「いらっしゃいませ」>。
でも、無表情ではなく微笑みながらの方がいいですよね。
では、<顔を上げて目を合わせて大きな声で微笑みながら「いらっしゃいませ」>。
ここまでやれば完璧のような感じがします。でももうひとつあるのです。
来られたお客さまの名前を言いながらの方がいいですよね。
<顔を上げて目を合わせて大きな声で微笑みながら「田中様、いらっしゃいませ」>
ここまでやると、お客さまである田中さんは大感動でしょうね。
とてもうれしくてこの会社に対して好印象を持つはずです。
理論的に説明すると、
小さな声で:言葉・態度による陰性、大きな声で:言葉・態度による陽性、
下を向いて:態度による陰性、顔を上げて:態度による陽性、
目を見る:態度による陽性、
名前を言う:言葉によるパーソナル、
下を向いて小さな声で・・・は、いやいややらされているように感じる:条件付、
顔を上げて大きな声で・・・は、自主的に積極的に感じる :無条件
最初の<下を向いたまま小さな声で「いらっしゃいませ」>と
最後の<顔を上げて目を合わせて大きな声で微笑みながら
「田中様、いらっしゃいませ」>のお客さまに与える印象は、
なんと6倍の違いがあるといわれています。
あなたはどちらがいいと思いますか?
もちろん、最後の方ですよね。
「あなたがそこにいることを私は知っています。認識していますよ。」を表現するのがいいストローク。
いつも、「パーソナル」な「無条件」の「陽性」のストロークをお客さまになげかけましょう。
わが社では、「ちゃんとあいさつをしましょう。」というような曖昧な言い方ではなく、
このようにどう違うのかを具体的に分かりやすく社員に教えています。