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お客が途切れない方法をお教えします!「Bar Vogue」オーナー 佐々木秀美さん その2

帰福後、すぐに福岡のクラブに戻り、働きながら再度コンパニオン
派遣会社へ登録し、以前と同じようなパビリオンでの仕事を探した。
幸運なことに、夜の仕事のお客様より紹介があり、キャナルシティの
インフォメーションの仕事に就くことになった。福岡で、昼も夜も
楽しい日々が続いた。そんなある日、結婚することになり、主婦へ。
佐々木さん、25歳の時だった。

結婚後、ご主人の転勤で広島へ。
広島で、ある有名なバーへご主人と訪問。このバーは、佐々木さんが
思い描いている店そのものだった。

しっかりしたお酒を出す店で、美味しく飲めて楽しく話せるバーだった。
バーのマスターと会話が弾み、佐々木さんはバーテンダーの勉強が
したいとマスターへ相談。すると、この店で教室をやっているらしい。
勉強するならこの店で習おうと心に決めた。
何も知らなかった佐々木さんだったが、この教室は、一から教えてくれた。
「バーをするなら、キチンとしてお酒を出すようにしたい。」と考えていた
佐々木さんは、真剣に教室に通った。
バーのことも勉強した佐々木さん、2年後、広島から福岡へ戻ることになった。

29歳になった佐々木さんは、バーをすることを決心し、店を探すことに
なった。その時に弊社へお越しになり、営業社員と物件をいくつも探し、
中洲4丁目にある、ラ・パピオンビル地下1階に「Bar Vogue」を
オープンすることになった。2002年5月30日の事だった。
オープンにあたり不安や心配は何もなし。
佐々木さんは「私がやるのだから、潰れるはずがない!」と思い始めた。

しかし、世の中はそんなに甘くなかった。
「最初の1年は、大変だった。」と当時を思い出し佐々木さんは語った。
特にオープン半年は大変で、1日にお客様が1人来て頂くだけで
喜ぶ日もあった。お客様は来なかったが「せっかく始めたのだから、
続けなきゃ!」と思う日々。結婚していたので、店の売上で生活する
必要はなく、なお且つご主人が応援してくれたため、辛くも頑張れたのだ。

店を開いてからは、毎日が勉強。
特に、一番の先生がお客様だった。お客様がいろんな事を教えてくれた。
注文を頂いてから、お酒の作り方を勉強していった。

ある時、マティーニを頼むお客様がいた。
1杯目を飲み「マズイ!もう一杯下さい!」と言い、配合を考え、
出してみた。2杯目を飲み「マズイ!もう一杯下さい!」と言い、
また、配合を必死に考え、内容を変えて3杯目を出してみた。
3杯目を飲み「マズイ!」と言い、お客様は帰っていった。
この時「絶対に美味しいと言わせたい!」という思いで
たまらなくなった。

佐々木さんは、バーテンダー協会の会長に直談判し、お酒の作り方を
習うことに。それからというもの、店が終わって(深夜4時ぐらい)から
特訓を受けた。それも毎日。絶対に美味しいとお客様に言ってもらう。
それが佐々木さんの目標だった。
寝ない日も多く「身体が続くかな~?」と思いながらも、やるしか
なかった。店が終わり、課外授業。次の日は本番。前日、学んだお酒を
お客さまへ出す。そして、お客様の感想をお聞きし、自分のものに
していく日々が、2年間続いた。そんな毎日を送りながら、オープンから
3年が経った。

店は8坪。16席。詰めに詰めて20席の店だったが、いつの間にか、
毎日3回転以上はするようになっていた。3年、佐々木さんの努力が
形になった。「石の上にも3年」毎日の努力がお客様にも認められ、
中洲でも超ご繁盛店になっていた。繁盛のもうひとつの理由は
「当時のお店は8坪。狭さが、逆にアットホームさを出せたのが
良かった。」と語る。
兎にも角にも、毎日3回転以上。しかし、悪い点もあった。
お客さまとスタッフの距離が近い為、全員のお客様と話さなければ
ならない。お酒を作る暇もないほど。いつしか、もう少し広い
お店の方がお客様にも働く方にもいいのではと考えるようになった。
そして、移転を考える。「もう少し広い店にしたい!」と考え、
現在の店へ移転することになった。
(この時も、弊社へお越し頂き一緒に物件を探しました。)

そして、現在のラッキービルへ移転。
この移転は、佐々木さんにとって2度目の転機になった。


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8坪の店では、スタッフも佐々木さんを入れて2~3人で良かった。
しかし、今度は広い。全部で35席。店員も常時5人以上必要。
「雇用をしっかりしたい!」と考えた。店員は全員正社員。
社会保険に加入。そして、個人事業主から会社組織へ組織変更。

バーテンダーは全員女性。夜働く女の娘には、両親も不安。
会社にし、正社員として採用。社会保険、厚生年金にも入っていれば、
両親も安心してくれると考えた。その経営方針はスタッフの両親に
理解を頂き、今ではお店にも訪れて頂くようになった。
 


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