HOME  >  博多よかばい放浪記  >  プライベート  >  イルカおばさんの「南太平洋アイランドクルーズ」 part11


プライベート


HOME  >  博多よかばい放浪記  >  プライベート  >  イルカおばさんの「南太平洋アイランドクルーズ」 part11

イルカおばさんの「南太平洋アイランドクルーズ」 part11

紫園 来未(しおんくるみ)です。
このレポートは洋上より異業種交流の会「雄友会」事務局
(事務局長・西村一久さん)を経由して配信をしています。
この配信方法は最後となります。

日本に戻りましたので、ごあいさつを申し上げます。
通信環境も日本モードですので以下のアドレスで配信させていただきます。
すでにご感想やご質問などを含め、メールをいただいておりますが、
以後は、以下のメールアドレスにお気軽にご返信くださいませ。
ku-shion@road.ocn.ne.jp

ぱしふぃっく びいなす」でいく
イルカおばさんの「南太平洋アイランドクルーズ」 part11 
2月27日 陸上より

こんにちは、お元気ですか。陸上に戻って3日目を迎えます。
今日は2月27日、夢のような非日常から一変して、
何もなかったように日常に溶け込んでいます。感じるのは「寒さ」だけです。
あの南の島の暖かさは現実だったのだろうかとさえ疑いたくなります。

<春一番、目撃>

22日は横浜港に帰港の予定でした。
しかし低気圧の影響を避けるため21日からは予定帰港地を目前に控えながら、
「ぱしふぃっくびいなす」は伊豆諸島からさらに北緯32度八丈島付近まで南下したのです。
風速約20m、うねりと波の高さはいったいどのくらいあったのでしょうか、
とにかく荒波をかき分けるように23日午後横浜港に着岸。
東京湾に入った時から見守るようにして陸を見つめてきたので、ベイサイドブリッジを
くぐって横浜の港のターミナルが見えた時はうれしくてドキドキしたものです。

その後、たぐいまれなる体験をしました。
結論、春一番とそのあとに続く低気圧による北西の風、最大瞬間風速27.9mを
目撃しました。まさに目の前を通り過ぎたのです。
まず、港に着岸した時は寒いながらも陽は当たっていました。
ターミナルの屋上で迎えてくれた多くの人が寒さに耐えているのがよくわかるほどでした。
手を振っていると、みるみる空が陰り暗雲が垂れこめたような不気味さを漂わせた
グレーの世界に一変したのです。それも黄色みをたっぷりと含んで。

「へんだぞ! 何かおかしい」船内で男性が叫んでいました。
するとすっごい激しい風が吹き始めたのです。向い側の屋上にいた人々が
吹き飛ばされそうになりながら、あっという間にいなくなりました。
下を見ると港のガードレールが軒並み倒れていました。一瞬の出来事にそれぞれが、
何があったのかわかりませんでした。黄色に黒を少々混ぜた何かが、
すごい勢いでびゅうーっと目前を通り去ったということだけは明らかでした。
後で、低気圧のどまん中にいて春一番が私たちの帰国を歓迎してくれたことが判明。
黄砂も色を添えてくれたのでしょうか。
いずれにしろ、タイミングよく春一番の目撃証人になったことは事実です。

横浜で半数以上の船客を下し、再び出港。
その後もまた低気圧のため大揺れの中神戸港に向かいました。
一晩中嵐にもまれたような感じで目がさめ、最終下船日を迎えたのです。
最後の朝食をゆっくりと時間をかけて食べました。前日と同様で、船内のいたるところで
「お世話になりました。また会いましょうね」との会話が飛び交っています。
47日間も「共に窯のめしを食った仲」なので、親近感も増し離れがたいものが
こみ上げてきます。

<私の母>

大阪湾に入って、「ぱしふぃっくびいなす」は静かな海上を滑るように神戸港に向かいました。
そのころはもう名残惜しいのか、母は食い入るように波を見つめていたようです。
最後のアフタヌーンティーを楽しみ、仲良しになったお友達とおしゃべりをしていました。

振り返ってみると、うれしいことに、母はとても元気です。最初の船酔いを機に、
酔い止めを自分の体調に合わせて飲んでいたようです。
でも後半は、あんなに荒波に転がされたのに、「気持ち悪い」の一言も耳にしませんでした。
本当に慣れてしまったのでしょうね。ヨガ教室、太極拳教室は皆勤賞をあげたいくらい
頑張っていました。というより、朝歯を磨くのと同じ感覚の位置づけだったようです。
「太極拳の後、8階のデッキを5周回ってきたのよ」
日ごとに船内活用術を増し加えた母。
その自立に似たものには、娘として言葉に出せない嬉しさを感じました。
船上の毎日、すべてが母にとって健康になるための手段だったのでしょう。
「いろいろとありがとう。楽しかったね」
母から告げられた感謝の言葉は、自分の体力がいかなるものかを確認できたことの喜びの
ように感じられました。持病を抱えながら、一言も痛みを訴えることなく病気と付き合っている
母のその姿は、将来例外なく身体に支障を抱えるだろう私にとって、
すばらしいお手本を示されたような気がしています。

今回の旅の収穫はまさにそれでした。
そして母が元気を取り戻してくれたこと、それが、一番の喜びです。
神戸港に着岸すると同時に、それは待っていたかのように、雪がはらはらと落ちてきました。後から聞いたことによると、今年初めての雪だったそうです。
またもや、神戸でも帰国の大歓迎を受けてしまったようです。
何はともあれ、無事の帰国、感謝です。そして、
「ママ、ありがとうございました」。
みなさん、ありがとうございました。          紫園来未

<太極拳教室(ママ中央赤Tシャツ)>


0302_2.jpg


<荒れる海に描かれる虹>


0302.jpg
 


トラックバック(0)

トラックバックURL:

コメントする




2019年10月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別 アーカイブ

最近のコメント