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「何のために、ものを生み出すのか?」博多人形師 中村 信喬氏

9月26日18時より大同生命ビル6階大会議にて、
博多法人会第4支部研修会、交流会が開かれました。

今回の講演は「何のために、ものを生み出すのか?」
博多人形師 中村信喬氏でした。

先日11年ぶりに中村信喬氏のところに税務署が入った。
「一生懸命に納税はしております!」(講演の前に税務署の方からあいさつがありました)
と笑いから始まった。


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中村家は人形師で3代目。
おじいさんは、お酒は飲まずに、置屋に行っていた。

一つの人形を作るとそのお金がなくなるまで、ずーっとドンちゃん騒ぎ。
そんなおじいさんだったが、素晴らしい家訓を残している。
その家訓は「お粥を食っても人形を作れ!お金のために人形を作ってはならない。」

比叡山のお寺から、人形つくりを頼まれた。
生前のビデオから、お父さんの人形を作って欲しいといわれた。
完成し像を収めた。
その像を見て、飼っていた犬がその像の前に行き座った。
それをみて、お寺の方は、その作品を気に入ってくれた。

中村信喬さんの座右の銘は「一得一失」
取ろう思ったら何かを捨てる。
すべてを捨てる。無になることが大切。
そして、中庸であること。
中庸は出来るだけ真ん中で、動かないこと。ニュートラルでいること。

夫婦は前世で2回会わないと結婚はしない。
今日もこのように皆さんと会っているのは、前世で1度会っている。
縁をとっても大切にしてる。


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いつも、生徒には、「ようこそお越しになりました!」と言っている。
しかし、生徒には私のもらっているお金を知らせて
「役に立たないと思ったら帰っていいよ!」と言っている。
本気になって、やる気を出してやり遂げる人に教えたい。

教えるということは、その人のものにはなりにくい。
しかし、精神は教えられる。
「なんのためにやってるの?」
「どうして、やってるの?」
「なんに使うの?」

生徒に「お母さんのためにお茶碗を作ろう。」と言い、
秋に、お母さんが栗ご飯を食べるお茶碗を作ろう。と言う。
その後作品ができたら次に、四季で4つ作ろう。
四季の作品が出来たら、12ヶ月で作ろう。

何を目的に、誰のために、と思って作ると
人に夢や希望を与えるものを・・・・に変わる。

「何を作ろうかな・・・」というのではなく、
1)何のために
2)どうやって
3)なんに使う
が決まって作成にあたれる。

たとえば、「沖縄の人に」は戦で、大変だった人達へ。
首里城で戦っていた時の人達であれば、時代は、装束は、かんざしは、靴は?
掘り下げて作品を作ること。
かんざしにも位がある。金、銀、鈴 さし方も指す人の年齢や時代がある。
その時代の気持ちになって作品を作る。


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作品を木で作るとき、その原木の中に作品が見える。
原木の中に作品の魂があることが見える。
人のためにものを見出す人になれる。

【動物園の作品の話】
どうせ作るなら、中村信喬さんは、黒御影石でできたゴリラが作りたい。
ゴリラに触れたい。ゴリラに抱っこしてもらいたい。
ゴリラといっしょに写真を撮りたい。
ある石屋の社長が3つつなげたら、3mの御影石のゴリラができます。と言ってきた。
それで作ろうということになった。
皆さんの思いが重なり素晴らしいゴリラが動物園に、来年の3月か4月には出来上がります。

「中村信喬さんは何のために作ってますか?」と聞かれると、
1)何のために
2)どうやって
3)誰のために
を考えて作ってます。と答える。

ものは、人が幸せにならないと駄目なのです。


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