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「バランス志向」の経営観 高杉製薬(株) 高杉義明社長

博多経友会10月例会 第87回が、10月6日19時30分より
中洲5丁目のIPホテルにて行われました。

演題は『「バランス志向」の経営観』 高杉製薬(株)
高杉義明 社長でした。


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高杉製薬は、昭和38年に現在の粕屋郡中原へ越してきた。
土地は袋小路で、周りにマンションが建った為、
現在は環境を考えた運営を行っている。社員73名。
昭和4年3月1日創業。今年80年になった。
高杉義明社長は、平成12年に社長へ就任した。
経常利益は、社長就任後、ある薬品が上がり、
伸びていたが、あっという間に悪くなり、撤退。

売上構成は、主の工業用薬品と試薬、問屋業も
行っている。祖父が創業者。その後は兄弟経営。
父親兄弟4人でやっていた。

最初は、大手メーカーの下請けをしていた。その仕事を
受けて、技術を磨いていった。昭和48年には、
福岡大洪水に遭い、会社は大打撃を受けた。
その後、バッテリーの仕事もしていた。
硫酸は、高杉製薬が業界で、自信をもってやれる仕事だった。
平成8年塩化カユウムの精錬の大きな機械を購入。
平成15年苛性ソーダの工場。
平成16年には、尿素の精錬機も購入。
平成19年には、広島に進出。物流センターを開設。

高杉製薬は、2つの取り組みを行っている。
1つは、改善提案制度を取り入れている。
年に1回提案の優秀改善提案委員会を行っている。
6年間で3600件の提案が出た。
もう1つは、ホームページ。ホームページでは、
お客様の声を聞けるものになっている。
毎月8万5000人がアクセスしてくれている。
月に150件の発注がある。全体の1%だが、今後は
増えると考え、力を入れている。

1.昭和38年工場移転
薬品による公害問題と道路の不便さで、吉塚より
中原へ移転。メインバンクの変更も大きな転機だった。
2.昭和48年 大水害
1mほどの床上浸水で、資料がすべて浸かってしまった。
お客様へは、多大なるご迷惑をお掛けしてしまった。
燃料の仕入れは、助けて頂いた事の恩を感じ、高くで
購入していた。銀行の支援にも感謝。
3.平成9年 塩化カリュウムプラントの購入
敵も多く、高い授業料になった。

4つの対応
1.固定費削減
損益分岐点を下げる。役員報酬のカット。14%
管理職5%カット。一時帰休 実質的に4%カット。
月間700~800万円の削減。
これにより5%の利益を生んだ。
新規顧客を取る。全体の5%をゲットする。
これにより1億円の売り上げになる。

2.地道な組織改革
社長の役目は、なんといっても組織づくりである。
営業部と技術部を一緒に行動を起こす。
全てにおいて、営業がやっていてはパンクする。
営業部の仕事を応援しよう、という発想を
取り入れてみている。コミュニケーションづくりが
営業の仕事、それからは、他部署の応援も必要。

3.プロジェクトの遂行
部門横断的に遂行していっている。
新規の案件で大きなものに取り組んでいる。
次亜塩素酸ソーダの販売にあたっている。
1台1000万円する機械を購入し、分析を行い、
信頼を得る書類の提出で販促を上げている。

事務所に各部門を集め、顔を突き合わせて会議を行う。
そういう事もプロジェクトと考え、決行している。

物流の工夫も行っている。
配送後の空荷のトラックに配送させて頂き、
輸送費も節約を図っている。

将来は、海外へ進出をも考えている。
タイ、ベトナムのどちらかへ、自社独自ではなく、
タイアップをしていきたいと考えている。

バランス重視の経営
起業は収支のバランスが取れて黒字になる。
サーカスの綱渡りのイメージで、「綱」という時間軸を
渡って行く。バランスとは、正解がない、終りがない。

売上増には、必ず固定経費が忍び寄っている。
ある時、バランスを取ることが唯一出来るのが、
社長ではないだろうか?
皆が一方向を向いている時に、だだ一人冷静に
考える。いろんな事に気を付けていると、バランスが
「取れてくる」のではないだろうか?

新規の商品ができた時は、前の商品で収益が
落ちるだろうと思われる時は、ブランド力で
下請け企業に回す。スクラップアンドビルドを
行っている。

システム作りも社長の仕事。
1.現在動いているシステム
・目標管理
・設備メンテナンス
・納品先管理
・値上げ・値下げ管理

2.システム化を検討している案件
・原価計算
・見積もり作成
・オンライン受注
製品名の見直しPJや製品カタログ作成PJも
大切なシステムだ。


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とても分析された、正確な講演でした。数字の
把握もキチンとしている社長だな!と感じました。
長時間の講演をありがとうございました!


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おもてむきのコメントは立派ですが 社内は大変です

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